さて、これからメイクの解説に入っていくのですが、その前にちょっとした小技を余談ならぬ「先生の深い話」としてご紹介していきます。
皆さん、スキンケアアイテムに対して一度は迷い、使い、ちょっと肌トラブルが出て…でも頑張って使う!そんな経験がありませんか?
その経験が顕著に現れるのが「オールインワン」のスキンケアアイテムなんです。
とにかく、現代女性は忙しい!仕事に家事に育児に時間がない!
そんな方が増え始めたのは2010年頃からだったと記憶しています。
そして、同時にメイクによる肌トラブルが増え、皮膚科医が考案したのがこの「オールインワンジェル」の始まりです。
ちなみに、この考案が「肌を必要以上に擦ることでトラブルを引き起こす」という現在では定説となったスキンケアの原点になっています
肌荒れが気になる方や敏感肌の方にとって、一般的なスキンケアのように何回も肌に触れざるを得ない「摩擦」は大きな負担となります。
そこに登場した
・時短
・肌に優しい
・簡単
の三拍子が揃っているオールインワンジェルは大人気になりました。
今でもこのオールインワンジェルは多くの女性から支持を集めています。
プチプラから高機能タイプまで色々買い、試し、そして!
肌トラブルが出るor肌の状態が悪化して結局やめた
という声を多く聞くようになりました…。その理由は一体なんでしょうか?次項からはこの理由や、通常のスキンケアとの「違い」をじっくりと解説していきます。
原因1.絶対的に超えられない成分量の差
一般的なスキンケアアイテムは、
・化粧水
・美容液
・乳液
の3種類です。
ぜひ成分一覧を見て「水」と「BG」を除いた成分を調べてみて下さい。
多くの成分が入っていますが、どれも肌への浸透圧を向上させたり、主要成分を活性化させるものがほとんどです。
さて、こちらはウワサのオールインワンジェルです。
一例として、KOSEから発売している「薬用美白パーフェクトジェル」を見ていきましょう。
このオールインワンジェルは
ポイント
・無香料
・無着色
・無鉱物
・アルコールフリー
・ローヤルゼリーやコラーゲン配合
・美白成分「ビタミンC誘導体」
等々多くの成分が入っていますが…
これが結構な落とし穴なのです。
図解で、成分の含有バランスを見てみるとわかりやすいと思います。
実はそのほとんどが保湿成分で構成されています。
最も肌にアレルギーを起こしやすいといわれているエチルアルコールは抜いているものの、アルコールそのものは多く使われています。
3ステップのスキンケアアイテムの成分は80種類。
オールインワンジェルの成分は28種類。
「成分が全てではない」ものの、この差は否定できないものがありますね。
原因2.とにかく「肌への浸透」が悪すぎる
実は成分よりも、こちらの方が大きな原因です。
最近の化粧水はある程度とろみがあったり、ほんの少し粘度が出るように設計されています。
これは、肌の表面に定着している時間が無いと、ハンドプレスをする前に蒸発してしまうからです。
しかし、オールインワンジェルになると、今度はテクスチャーが固すぎてしまいます。
つまり、どれだけハンドプレスをしても肌に浸透しづらくなってしまい、有効成分が肌細胞まで届かなくなってしまうのです。
前回解説しましたが、化粧水・美容液・乳液にはそれぞれ「役割」があります。
その役割をきっちり肌に塗り重ねていくことで、しっかりと水分や有効成分が肌に浸透していくわけです。
肌に浸透しない=肌の表面だけを保護するということです。これはこれで意味はありますが、本来の「スキンケア」とはちょっと違ってきます。これはまた別の機会に。
さて、このオールインワンジェル、間違った使い方をしてしまうとどうなるでしょう?
この悪循環は肌荒れを起こしやすくなり、肌の油分バランスも崩れます。
もちろんメイクもキレイに仕上がりません。
簡単にこの悪循環に陥りがちなのが、オールインワンジェルの大きなデメリットなのです。
- でもオールインワンジェルって楽だから使いたい!
- コスパも良好だから使い続けられる!
- 時短で面倒じゃない!
そう感じる女子諸君に、先生からのワンポイントアドバイス。
オールインワンジェルの前に「プチプラ化粧水」をプラス!
ワンコイン化粧水でもOK。これを洗顔の後に塗り、ハンドプレスしておきます。
その後、オールインワンジェルを使うことで、肌への水分量には相当の差が出てくるのです!
結局オールインワンジェルの「何が悪いか」というと「肌に浸透しないのが悪い」ので、別のものでその浸透を補っておけばいい、という理屈です。浸透させるだけなので、プチプラで大丈夫。
普段はちゃんと手順通りにやっているけど、もう仕事で疲れて面倒でこのまま寝たい…というときの「ざっくりスキンケア」として常備しておくと安心かなと思います。
まとめ
基本は3ステップ。
でも、忙しい時も、面倒な時も、自分を甘やかしたい時もあります。
これは誰もが絶対あることです。どれだけ美意識が高くてもあります(笑)。
その「ダルイ時」を上手くリカバリーする知識を持っておく。これだけで美肌維持+デキる女に一歩近づけちゃいます。
ぜひ、頭の片隅に置いといて下さいね。